JAMA Internal Medicine誌、2016年6月27日オンライン号より。
「脂質 = 不健康」 というイメージがあるかもしれませんが、実は脂質にも様々な種類があります。
魚に含まれるDHAやEPA、亜麻仁油やエゴマ油に含まれるα-リノレン酸などは「オメガ3多価不飽和脂肪酸」と呼ばれる種類で、コレステロール低下・心臓病予防など、様々な健康効果があると言われています。
これまでの研究では、アンケートを元にオメガ3多価不飽和脂肪酸の摂取量を推測したものが多かったのですが、今回は体内にどの位オメガ3多価不飽和脂肪酸があるかが計測されています。
つまり今回の研究では、よりオメガ3多価不飽和脂肪酸の効果が適切に評価されているのです。
その結果、体内のオメガ3多価不飽和脂肪酸濃度が高いと心臓病の発症リスクが低かったと報告されました。
ダイエット中などは脂質を敬遠しがちですが、量だけでなく質も重要です。
旬の魚を楽しみ、健康に良いオメガ3多価不飽和脂肪酸をしっかり摂りましょう♪
【試験概要】
- 研究デザイン:前向き・後ろ向き研究19件の統合解析
- 対象者:16ヵ国より45,637名。ベースライン時の年齢は中央値で59歳。
オメガ-3多価不飽和脂肪酸は血液・リン脂質・コレステロールエステル・脂肪組織などにおける濃度で評価された。
- DHA:DHAが高いと致死性冠動脈疾患の発症リスクが10%低かった(RR 0.90)
- α-リノレン酸:α-リノレン酸が高いと致死性冠動脈疾患の発症リスクが9%低かった(RR 0.91)
- DPA:
- DPAが高いと致死性冠動脈疾患の発症リスクが10%低かった(RR 0.90)
- DPAが高いと冠動脈疾患の発症リスクが6%低かった(RR 0.94)
【論文リンク】
ω-3 Polyunsaturated Fatty Acid Biomarkers and Coronary Heart Disease: Pooling Project of 19 Cohort Studies