2016年6月7日火曜日

妊娠中の人工甘味料で赤ちゃんの肥満リスク上昇❓

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JAMA Pediatrics、 2016年5月9日号より。

近年人工甘味料の消費量は増加しており、妊娠中もその例外ではありません。
その安全性については様々な意見がありますが、動物試験では子宮内での人工甘味料曝露が子孫の肥満リスク上昇に繋がると示唆されています。
今回の研究では動物試験の結果について、ヒトでも同じことがいえるのかが調査されました。
妊娠中の人工甘味料の摂取状況を調査し、生まれた子供が1歳の時のBMI(※1)から肥満リスクを評価したのです。
その結果、毎日人工甘味料を摂取していた妊婦の子供は肥満リスクが2倍以上だったと報告されました。

人工甘味料をむやみに悪者扱いする必要はありませんが、毎日のように摂っているヒトは妊娠中少し控えめにした方が良いかもしれませんね

【試験概要】
  • 研究デザイン:コホート研究(Canadian Healthy Infant Longitudinal Development: CHILD Study)
  • 対象者:上記コホート研究に含まれた健常な妊婦3,033名とその子供。妊婦は平均年齢32.4歳、平均BMI(※1)24.8。
【試験結果】
人工甘味料を毎日使用していた妊婦では、全く使わなかった妊婦と比較して乳児の肥満リスクが2倍以上だった。
  • 対象妊婦のうち、生まれた子供が1歳の時にBMIを計測できたのは2,686名。
  • 全妊婦の29.5%が妊娠中に人工甘味料を使用し、5.1%が毎日使用していた。
  • 人工甘味料を毎日使用していたグループは、全く使わなかったグループと比較して、乳児の肥満リスクが2.19倍だった(OR 2.19)
(※1)
BMI: Body Mass Index(ボディーマスインデックス)の略。身長と体重をもとに算出した指数で体格をあらわす。体重[kg]を身長[m]の二乗で割って算出する。
【論文リンク】
Association Between Artificially Sweetened Beverage Consumption During Pregnancy and Infant Body Mass Index

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