Food and Drug Administration(FDA: 米国食品医薬品局)のプレスリリース、2016年6月14日より。
6月14日、FDAはAspireAssistという新しい肥満治療を認可しました。
これは内視鏡を使ってチューブを胃に設置し、そのチューブを通して胃内の食べ物を排泄するものです(詳細ビデオ)。
食後20-30分経ったら患者さん自身がこのチューブを通して食べたものを排泄し、摂取したカロリーの約30%程度が除去されるそうです。
AspireAssistの対象となるのはBMI(※1)が35~55の肥満者で、手術以外の肥満治療では減量/減量後維持ができなかったヒトとされています。摂食障害の患者さんは対象外です。
好きなものを食べてカロリーを30%排泄できるなんて夢みたい!と安易に喜んではいけません。
内視鏡とはいえチューブを設置するにはリスクが伴いますし、チューブを入れっぱなしにしていることで炎症や感染のリスクもあります。
AspireAssistに伴う副作用としては消化不良・吐き気・嘔吐・便秘・下痢などが報告されています。
昨日ご紹介したように人口の35~40%が肥満という米国。
有効な肥満治療はウェルカムしたいところですが、食べたものを胃から一部排泄するという人工的な方法をとらなければならなくなる前に、健康的な生活習慣で肥満の予防・改善を心掛けたいですね♪
AspireAssistの有効性を示す臨床研究は下記の通りです。
【試験概要】
- 研究デザイン:介入研究
- 対象者:肥満者171名
- 介入:AspireAssist+生活習慣改善、もしくは生活習慣改善のみ
- 研究期間:1年間
- AspireAssist+生活習慣改善 ⇒ 平均して体重の12.1%の減量
- 生活習慣改善のみ ⇒ 平均して体重の3.6%の減量
BMI: Body Mass Index(ボディーマスインデックス)の略。身長と体重をもとに算出した指数で体格をあらわす。体重[kg]を身長[m]の二乗で割って算出する。
【論文リンク】
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