2016年5月29日日曜日

うつ病への新治療❓全身温熱療法

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JAMA Psychiatry、2016年5月12日号より。
「5月病」という言葉もあるように、今は生活環境などの変化で精神的に不安定になるヒトの多い時期です。
薬をとるのは躊躇われたり、薬をとっても十分な効果が得られないケースも多いといわれますが、今回の研究では全身温熱療法がうつ病への新治療となるかも❓と報告されました。

治療直後から6週間後まで効果が認められ、薬のように副作用の心配をしなくても良いといわれる温熱治療。
今後うつ病への新たな展開が望めるかもしれませんね♪

【試験概要】
  • 研究デザイン:二重盲検無作為化比較試験(RCT)
  • 対象者:18-65歳の健常者でうつ病の基準を満たすが向精神薬を使用していない34名
  • 試験期間:介入後6週間の追跡
  • 介入:全身温熱療法、もしくは偽治療1回
【試験結果】
全身温熱療法を受けたグループではうつ指標(Hamilton Depression Rating Scaleというスコア)が改善し、その効果は6週間後でも続いていた。
全身温熱療法を受けたグループのうつ指標は、偽治療のグループと比較して・・・
  • 1週目:-6.53点
  • 2週目:-6.35点
  • 4週目:-4.50点
  • 6週目:-4.27点
Whole-Body Hyperthermia for the Treatment of Major Depressive Disorder: A Randomized Clinical Trial

2016年5月26日木曜日

飲酒量アップは心臓病リスク低下と相関、でも乳がん発症リスクは上昇❓

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BMJ、2016年5月11日号より。
閉経後女性において飲酒量アップは心臓病リスク低下と相関、でも乳がん発症リスクは上昇❓という報告です。

夏が近づき、キンキンに冷えた白ワインやビールが美味しい季節となってきました。
適度な飲酒は心臓病予防効果があるといわれていますが、一方で他の病気を招く可能性があります。
今回の研究は閉経後女性を対象にしたもので、5年の間に飲酒量が増えたヒトと一定だったヒトを比較したものです。
その結果、飲酒量が増えたヒトは確かに心臓病リスクが10-20%低かったのですが、その一方で乳がんリスクは10-30%高いことが分かりました。
健康効果もあれば健康を害する効果もあるお酒・・・いずれにしても過剰な飲酒は百害あって一利なしです。
適量を楽しみ上手にお酒と付き合いましょう♪


【試験概要】
  • 研究デザイン:デンマークにおけるコホート研究(Diet, Cancer, and Health Study)
  • 対象者:上記コホート研究において、1993‐98年と1999-2003年の評価を受けた閉経後の女性21,523名
  • 試験期間:11年の追跡
【試験結果】
5年間でアルコール摂取量が7杯/週(1杯/日)増加したグループは、アルコール摂取量が一定だったグループと比較して・・・
  • 乳がん発症リスクが13%高かった(HR 1.13)
  • 冠動脈疾患発症リスクが11%低かった(HR 0.89)
更に14杯/週(2杯/日)増加したグループでは・・・
  • 乳がん発症リスクが29%高かった(HR 1.29)
  • 冠動脈疾患発症リスクが22%低かった(HR 0.78)
Five year change in alcohol intake and risk of breast cancer and coronary heart disease among postmenopausal women: prospective cohort study

2016年5月25日水曜日

運動で13種類のがんリスクが10~40%低下❓

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JAMA Internal Medicine、2016年5月16日号より。
運動で13種類のがんリスクが10~40%低下❓という報告です。

運動は糖尿病や高血圧、心臓病や脳卒中などの予防に役立つと言われていますが、今回の研究では更にがん予防にも役立つ可能性が報告されました。
運動と一口にいっても、仕事の中でやらなければならない運動と、自由な時間に自主的に行う運動は効果が違うと考えられており、今回の研究は後者(「余暇身体活動」)についてです。
アメリカやヨーロッパから12件の研究データ(全部で144万人以上ものデータ!)を統合解析したという大規模な研究です。
その結果、余暇身体活動が多いヒトは13種類ものがんのリスクが低かったと報告されました。

様々な病気の予防に役立つ身体活動- まずはエレベーターやエスカレーターを使わず階段を使う、一駅手前で降りて歩いてみるなど、できることから活動量を増やしていきましょう♪

【試験概要】

  • 研究デザイン:コホート研究12件の統合解析
  • 対象者:欧米に住む男女144万名。年齢は中央値で59歳。 
【試験結果】
余暇身体活動が多いグループは少ないグループと比較して…
  1. 食道腺がんのリスクが42%低かった(HR 0.58)
  2. 肝がんのリスクが27%低かった(HR 0.73)
  3. 肺がんのリスクが26%低かった(HR 0.74)
  4. 腎臓がんのリスクが23%低かった(HR 0.77)
  5. 胃噴門部がんのリスクが22%低かった(HR 0.78)
  6. 子宮体がんのリスクが21%低かった(HR 0.79)
  7. 骨髄性白血病のリスクが20%低かった(HR 0.80)
  8. 骨髄腫のリスクが17%低かった(HR 0.83)
  9. 結腸がんのリスクが16%低かった(HR 0.84)
  10. 頭頸部がんのリスクが15%低かった(HR 0.85)
  11. 直腸がんのリスクが13%低かった(HR 0.87)
  12. 膀胱がんのリスクが13%低かった(HR 0.87)
  13. 乳がんのリスクが10%低かった(HR 0.90)
【論文リンク】
Association of Leisure-Time Physical Activity With Risk of 26 Types of Cancer in 1.44 Million Adults

2016年5月24日火曜日

思春期に果物を沢山食べると乳がん発症リスクが25%低下❓

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BMJ、2016年5月11日号より。
思春期に果物を沢山食べると乳がん発症リスクが25%低下❓という報告です。

果物や野菜は様々な栄養成分を含み健康を維持するためには欠かせない食べ物です。
これらの食べ物を多く摂取することで様々な病気の予防に繋がるといわれていますが、年をとってから健康を意識しこれらを食べるのではなく、若い頃からの心掛けが重要かもしれません。
今回の研究では思春期に果物を多く食べていると乳がん発症リスクが25%低く、若年成人期の果物摂取量は特に乳がん発症リスクと相関しないと報告されました。
早いうちから健康的な食生活を意識することが重要ですね♪

ただ思春期を過ぎてしまった人も「もう遅い」と諦める必要はありません。
若年成人期でも、個別の野菜や果物を調べると、α-カロテンを多く含む果物や野菜、オレンジ、ケールの摂取が多いと乳がん発症リスクが低下しました。
何歳になっても諦めずなるべく多くの野菜や果物を食べるよう心掛けましょう♪
ちなみに思春期の摂取としては、リンゴ・バナナ・ブドウの摂取が特に乳がん発症リスク低下と相関していたようです。

【試験概要】

  • 研究デザイン:コホート研究
  • 対象者:Nurses' Health Study IIの対象者(1989年の試験開始時に25-42歳で閉経前の女性)のうち1991年に食生活に関するアンケートに回答した90,476名、および1998年に思春期の食生活について回答した44,223名。
【試験結果】
若年成人期(27-44歳)、思春期(13-18歳)の食生活それぞれと乳がんリスクの相関を調べたところ・・・
  • 思春期の果物摂取量が多いと乳がん発症リスクが25%低かった(中央値2.9単位/日の最多グループ vs. 0.5単位/日の最少グループでHR 0.75)
  • 若年成人期の果物摂取量は乳がん発症リスクと有意な相関なし
  • 野菜摂取量については思春期も若年成人期も乳がん発症リスクと有意な相関なし
  • 詳細の解析では、若年成人期にα-カロテンを多く含む野菜や果物を食べていると閉経前乳がん発症リスクが18%低かった(中央値で0.5単位/日の最多グループ vs. 0.03単位/日の最少グループでHR 0.82)。また思春期のリンゴ・バナナ・ブドウの摂取、若年成人期のオレンジとケールの摂取が乳がん発症リスク低下と相関していた。
【論文リンク】
Fruit and vegetable consumption in adolescence and early adulthood and risk of breast cancer: population based cohort study

新しい栄養成分表示が決定!

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FDA、2016年5月20日発表

米国における新しい栄養成分表示が発表されました!
各企業は2018年7 月26日までに全製品の栄養成分表示をアップデートすることが義務付けられますが、年間食品総売り上げが1,000万ドル未満の企業は更に1年の猶予が与えられます。

主な変更点は下記の通り!
新しい栄養成分表示が益々健康増進に繋がると良いですね♪

  • カロリー、1人前の分量、製品全体で何人前かは大きなフォントサイズ・太字で目立つようにする
  • 1人前の分量
    • 1人前の感覚は時代と共に変化しており、例えば炭酸飲料であれば1993年に8oz (約240mL)が1人前とされていたのに対し、現在では12oz (約360mL)が標準となっている。新しい栄養成分表示では多くのヒトが1回に食べるであろう現実的な量を1人前とすることが義務付けられる
    • パッケージの大きさによりヒトの摂取量は影響され、例えば20oz(約600mL)の炭酸飲料を購入した場合、多くのヒトは1回でそれを飲み終えることが想像される。よって1人前の単位の1倍~2倍未満の量の製品では、製品全体の栄養成分表示を明記する
    • 1人前の分量より遥かに多いパッケージであっても、1回で摂取してしまう可能性のある製品については1人前の栄養成分、製品全体の栄養成分を併記する。例えば24oz (約720mL)の炭酸飲料など。
  • 追加された項目
    • 添加糖:カロリーの10%以上が添加糖から来ていると、適正カロリー内で全ての栄養素を摂取するのは難しく、各製品に含まれる量を意識することが重要なため
    • ビタミンD:不足しているヒトが多いため
    • カリウム:不足しているヒトが多いため
    • ※カルシウムと鉄分は引き続き表示が義務付けられている
  • 不要となった項目(ただし表記を希望する場合は引き続き記載可能)
    • ビタミンA:不足しているヒトが少ないため
    • ビタミンC:不足しているヒトが少ないため
    • 脂質からのカロリー:重要なのは脂質の絶対量ではなく種類であるため(総脂質、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸の量は引き続き表示が義務付けられている)


【報告書リンク】

2016年5月23日月曜日

時代と共に最適な体形も変わり、今は肥満で長生き❓

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JAMA、2016年5月10日号より

BMI(※1)という体形を表す指標があり、標準体型は18.5~24.9の間、最も長生きなのは22だといわれてきました。
しかし時代と共にそれも変化しているようで、新しいデータでは27(WHOの区分では過体重、日本では肥満区分)が最も長生きかも❓という報告です。

今回の研究では異なる3つの時代に集められた研究対象集団をもとに、長寿と最も相関するBMIの移り変わりが評価されました。
その結果、時代と共に最も長寿なBMIは上昇しており、最新データではBMI 27(日本では肥満区分)が最も長生きだったのです。
少しくらい体重が増えてもあまり悲観しすぎる必要はないのかもしれませんね♪

ただこの研究は寿命のみを評価したもので、その質については評価していません。つまり肥満者は長寿でも食事制限・寝たきり・認知症などを抱えての人生だった可能性もあるということです。
健康的に生き生きと長寿を全うするためには、やはり太りすぎに注意し体形管理に努めましょう♪

【試験概要】
  • 研究デザイン:デンマークにおけるコホート研究3件の比較(Copenhagen City Heart Study 1976-1978年、同1991-1994年、Copenhagen General Population Study 2003-2013年
  • 対象:上記3つのコホート研究より13,704名、9,482名、97,362名
  • 試験期間:2014年11月、他国への移住、死亡のいずれか最も早い時点までの追跡
【試験結果】
総死亡率、心血管死亡率、その他の死亡率とBMIの相関は全てU字型を示した。各時代において総死亡率の最も低かったBMIは…

  • 1976-1978年:23.7
  • 1991-1994年:24.6
  • 2003-2013年:27.0


(※1)
BMI: Body Mass Index(ボディーマスインデックス)の略。身長と体重をもとに算出した指数で体格をあらわす。体重[kg]を身長[m]の二乗で割って算出する。

2016年5月11日水曜日

若い時に細身+それを維持できた高齢者は長生き❓

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BMJ、2016年5月4日号より

若い時に細身+それを維持できた高齢者は長生き❓という報告です。

年齢と共に代謝が下がり体重がアップ…というのはよく聞く話ですが、あまりに激増してしまうとあなたの人生を縮めてしまうかもしれません!
11万人以上を15年程度追跡したこの研究では、若いときに細身だったヒトでも、後々体重が激増してしまうと、細身をを維持できたヒトと比較して死亡率が男性で1割、女性で4割も高かったのです。
年のせいと諦めてしまわず、何歳になっても体形維持や向上を目指しましょう

【試験概要】
  • 研究デザイン:コホート研究(Nurses' Health StudyとHealth Professionals Follow-up Studyという2つのコホート)。
  • 対象:上記2つのコホートより、50歳時にBMI(身長と体重をもとに算出)を計測しており、5、10、20、30、40歳時の体形を思い出して報告した女性80,266名と男性36,622名。
  • 試験期間:60歳から死亡までの追跡。中央値で15-16年間。
【試験結果】
5-50歳の体形データを元に曲線を描き、対象者を下記5つのグループに分けた。
  1. ずっと細身
  2. 細身→中程度の増量
  3. 細身→激増
  4. 中肉→維持/増量
  5. 肥満→維持/増量
喫煙歴のない対象者では、「ずっと細身」グループと比較して…
  • 「細身→激増」グループは総死亡率が男性で11%、女性で43%高かった(HR 1.11、1.43)。
  • 「肥満→維持/増量」グループは総死亡率が男性で19%、女性で64%高かった(HR 1.19、1.64)。死因別にみると特に相関が強かったのは心血管障害死亡率で、男性で45%、女性で130%高かった(HR 1.45、2.30)。
喫煙歴のある対象者ではこの相関は弱まった。

2016年5月6日金曜日

筋トレで高齢者の死亡率が約半分に❓

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Preventive Medicine、2016年6月号より

筋トレで高齢者の死亡率が約半分に❓という報告です。

健康のために運動を!というとジョギングなどの有酸素運動を思い浮かべるヒトが多いのではないでしょうか。
運動ガイドラインでは、毎週150分の有酸素運動と共に週2回以上の筋トレが推奨されています。
「筋トレ」は筋肉ムキムキになりたい男性がするもの!と思い、女性や高齢者は敬遠してしまうかもしれませんが、今回の研究では筋トレを週2回以上実施していた高齢者で死亡率が約半分だったと報告されたのです。
毎日は難しくても週2回であればそんなに苦痛ではないかもしれません。
あまり無理せず軽い重量の筋トレから始めてみましょう♪

【試験概要】
  • 研究デザイン:1997-2001年の全米健康インタビュー調査(National Health Interview Survey:NHIS)と国民死亡記録(National Death Index)を使用した観察研究。
  • 対象:65歳以上の高齢者30,162名
【試験結果】
  • ガイドラインで推奨されている量の筋トレ(週2回)をしていると答えた高齢者は9.6%だった
  • 研究期間中に対象者の31.6%が死亡した
  • ガイドラインで推奨されている量の筋トレをしている高齢者は、していない高齢者と比較して総死亡率が46%低かった(adjusted OR 0.64)
【論文リンク】

2016年5月5日木曜日

米国の死因トップ3は心臓病、がん、医療ミス❓

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BMJ、2016年5月3日オンライン号より

現在米国の死因トップ3は…

  1. 心臓病
  2. がん
  3. COPD(慢性閉そく性肺疾患)
となっていますが、実は医療ミスでの死亡が3位に入ってくるのではという報告です。

死因に関する統計はアメリカ疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)より発表されていますが、国際疾病分類(International Classification of Diseases:ICD)から死因を選ぶという集計方法のため、疾病以外の死因が正確に把握できないという難点が指摘されています。
医療ミスによる死亡については、1999年に米国医学研究所(Institute of Medicine:IOM)が発表したデータがよく使われ、44,000~98,000件/年といわれています。
しかし1999年以降に発表された新しいデータを使い、2013年の人口を元に推算したところ、医療ミスによる死亡は 251,454件/年となり、これまで考えられていた数値よりずっと高い可能性が出てきました。この数値が正しいとすると、医療ミスがCOPDを抜いて死因の第3位になるということです。

対策を練るにはまず現状の把握から…死因の実情を把握するためには集計方法の見直しが必要なのかもしれません。


【論文リンク】

2016年5月4日水曜日

肥満ではないヒトでもカロリー制限で気分・QoL・睡眠・性機能などが改善❓

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JAMA Intern Med.、2016年5月2日オンライン号より

肥満ではないヒトでもカロリー制限で気分・QoL・睡眠・性機能などが改善❓という報告です。

肥満が糖尿病や高血圧など様々な生活習慣病と関連することは皆さまご存知だと思いますが、今回の研究では肥満ではないヒトでもカロリー制限や減量でより健康になれるかも❓という報告がありました。
対象者はBMIが22-28kg/m2の成人男女…というと標準体重からややぽっちゃりめの体形です(米国では30以上が肥満とされていますが、日本では25以上が肥満とされます)。
対象者のうち25%程度のカロリー制限をしたヒトは2年間で平均7.6kgの減量があり、気分やQoL、睡眠や性機能など、様々な項目で改善が示されました。
痩せすぎはもちろん良くないですが、最近体重が増加気味…といったヒトは少しのカロリー制限・減量を心掛けて健康ハッピィライフを目指しましょう♪


【試験概要】
  • 研究デザイン:二重盲検無作為化比較試験。
  • 対象:平均年齢37.9歳、非肥満(BMI 22-28kg/m2。米国ではBMI30未満が非肥満)の成人男女220名。
  • 介入:25%のカロリー制限、もしくは制限なし。
  • 試験期間:2年間。
【試験結果】
  • 2年時点でカロリー制限群は7.6kg、制限なし群は0.4kgの減量があった。
  • 制限なし群と比較してカロリー制限群は…
    • 2年時点での気分関連指標がより改善した(BDI-IIというテストでは0.76点、POMSというテストでは0.79点多く改善)
    • 2年時点での全体的な健康面がより改善した(QoL関連指標のSF-36というテストの一部で6.45点の改善)
    • 2年時点での性欲と性関係がより改善した(Derogatis Interview for Sexual Functionというテストで1.06点多く改善)
    • 1年時点での睡眠時間に関する自己評価が高かった(PSQIというテストの一部で0.26点の改善)
【論文リンク】

2016年5月3日火曜日

高齢出産も悪いことばかりではない❓高身長高学歴の子供に育つかも❓

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Population and Development Review、2016年4月8日オンライン号より

高齢出産で生まれた子供は高身長高学歴に育つかも❓という報告です。

高齢出産では流産/死産、低出生時体重、ダウン症などのリスクが上昇するといわれています。そのリスクを把握し早く産もう!と思っていても、仕事で忙しかったり、なかなか運命のヒトに出会えなかったり…といつの間にか年齢を重ねてしまっているヒトも多いのではないでしょうか。
どうにもならないことにストレスを溜めてばかりでは、却って逆効果です。
今回の研究では、年齢の高い母親に産まれた子供は身長が高かったり、学歴が高かったりと良い面もあると報告されました。
母親の年齢が高いということは、経済力や社会的地位の向上など子供を取り巻く環境が向上しているということが関係していると思われます。
リスクを把握するのは重要なことですが、たまにはポジティブな面にも目を向けて、あまりストレスを溜めないようにしましょう♪


【試験概要】
  • 研究デザイン:スウェーデン出生コホートを使用したデータ解析。
  • 対象:1960-1991年に生まれた男女159万名以上(身長と身体能力については軍隊データを使用しているため男児のみ対象)
【試験結果】

  • 30-34歳の母親に生まれた子供は学歴が最長(13.1年)で、母親の年齢がそれより若くなる程(15-19歳の母親に生まれた子供では11.5年)、また高齢になる程(45歳以上の母親に生まれた子供では12.3年)短くなった。
  • 35-39歳の母親に生まれた子供の成績が最も高く(16歳時の平均値で218.7)、母親の年齢がそれより若くなる程(15-19歳の母親に生まれた子供では165.9)、また高齢になる程(45歳以上の母親に生まれた子供では206.0)低くなった。
  • 30-34歳の母親に生まれた男児の身長が最も高く(180.0cm)、母親の年齢がそれより若くなる程(15-19歳の母親に生まれた子供では178.5cm)、また高齢になる程(45歳以上の母親に生まれた子供では179.4cm)低くなった。
  • 25-29歳の母親に生まれた男児の身体能力が最も高かった(サイクリングマシンを使用した指標で304.2)。
出生年を考慮した解析では、母親の年齢による学歴や成績、身長や身体能力の差異は認められなかった。つまり、母親の年齢が高くなるにつれ子供の育つ社会が変化しており、それが子供の学歴や成績、身長や身体能力にポジティブな影響を与えたと考えられる。社会変化の影響を除くと、母親の年齢による影響はポジティブなものもネガティブなものも認められなかった。

【論文リンク】