Circulation誌、2016年10月11日号より。
怒ったり興奮したりすると心臓に良くないと聞いたことがあるヒトは多いと思います。
今回の研究ではそれが大規模なデータの解析で示されました。
世界52ヵ国で急性心筋梗塞を起こした1万例以上ものデータの解析です。
その結果、発症前1時間以内に身体活動もしくは怒ったり感情的に取り乱すような出来事があると、心筋梗塞のリスクが2倍以上になったのです。
運動は無理せず行う。
すぐにカッとせずストレスをこまめに発散する。
…など日々の少しの工夫で心筋梗塞の予防を心掛けましょう♪
【試験概要】
- 研究デザイン:症例対照研究(INTERHEART)
- 対象:52ヵ国における最初の急性心筋梗塞12,461例。
【試験結果】
急性心筋梗塞発症前1時間以内に…
- 身体活動をしていたヒトはリスクが2倍以上だった(OR 2.31)
- 怒ったり感情的に取り乱していたヒトはリスクが2.5倍近かった(OR 2.44)
- 身体活動+怒ったり感情的に取り乱したいたヒトはリスクが3倍以上だった(OR 3.05)
【論文リンク】
Annals of Epidemiology誌、2016年8月21日オンライン号より。
日本では2015年に第一子出生時の母親の平均年齢が30.7歳になりました。
妊娠のしやすさは女性の年齢により大きく影響され、子供が欲しいと思いつつもなかなか妊娠できないカップルは10組に1組とも、5組に1組ともいわれています。
妊娠を望むカップルにとって待たなければならない期間が長くなればなるほど心身ともにストレスが溜まるのは当然のことです。
でも何とか上手にストレスを発散する方法を見つけ、悲観的にならずに過ごすことが妊娠への近道かもしれません。
今回の研究では女性にストレスの度合いを自己評価してもらったところ、排卵期周辺のストレスレベルが高い女性では受胎率が約半分だったと報告されました。
言うのは簡単でも実際には難しい…ところだとは思いますが、信じる者は救われると思ってなるべくストレスを溜めない生活を心掛けましょう♪
【試験概要】
- 研究デザイン:観察研究。
- 対象:40歳以下で定期的に性行為があり避妊をしていない女性400名
- 試験期間:20サイクル以内、もしくは妊娠するまで。
【試験結果】
- 女性にストレスのレベルを1-4で自己評価してもらったところ、推定排卵期のストレスレベルが1単位高くなる毎に受胎率が46%低かった(OR 0.54)。
- 黄体期(排卵後)はストレスレベルが高いほど受胎率が高かったが、これは逆の因果関係(妊娠しているという事実やホルモンの関係でストレスレベルが上昇)であると考えられる(OR 1.63)。
【論文リンク】
JAMA Psychiatry、2016年5月12日号より。
「5月病」という言葉もあるように、今は生活環境などの変化で精神的に不安定になるヒトの多い時期です。
薬をとるのは躊躇われたり、薬をとっても十分な効果が得られないケースも多いといわれますが、今回の研究では全身温熱療法がうつ病への新治療となるかも❓と報告されました。
治療直後から6週間後まで効果が認められ、薬のように副作用の心配をしなくても良いといわれる温熱治療。
今後うつ病への新たな展開が望めるかもしれませんね♪
【試験概要】
- 研究デザイン:二重盲検無作為化比較試験(RCT)
- 対象者:18-65歳の健常者でうつ病の基準を満たすが向精神薬を使用していない34名
- 試験期間:介入後6週間の追跡
- 介入:全身温熱療法、もしくは偽治療1回
【試験結果】
全身温熱療法を受けたグループではうつ指標(Hamilton Depression Rating Scaleというスコア)が改善し、その効果は6週間後でも続いていた。
全身温熱療法を受けたグループのうつ指標は、偽治療のグループと比較して・・・
- 1週目:-6.53点
- 2週目:-6.35点
- 4週目:-4.50点
- 6週目:-4.27点
Whole-Body Hyperthermia for the Treatment of Major Depressive Disorder: A Randomized Clinical Trial
JAMA Intern Med.、2016年5月2日オンライン号より。
肥満ではないヒトでもカロリー制限で気分・QoL・睡眠・性機能などが改善❓という報告です。
肥満が糖尿病や高血圧など様々な生活習慣病と関連することは皆さまご存知だと思いますが、今回の研究では肥満ではないヒトでもカロリー制限や減量でより健康になれるかも❓という報告がありました。
対象者はBMIが22-28kg/m2の成人男女…というと標準体重からややぽっちゃりめの体形です(米国では30以上が肥満とされていますが、日本では25以上が肥満とされます)。
対象者のうち25%程度のカロリー制限をしたヒトは2年間で平均7.6kgの減量があり、気分やQoL、睡眠や性機能など、様々な項目で改善が示されました。
痩せすぎはもちろん良くないですが、最近体重が増加気味…といったヒトは少しのカロリー制限・減量を心掛けて健康ハッピィライフを目指しましょう♪
【試験概要】
- 研究デザイン:二重盲検無作為化比較試験。
- 対象:平均年齢37.9歳、非肥満(BMI 22-28kg/m2。米国ではBMI30未満が非肥満)の成人男女220名。
- 介入:25%のカロリー制限、もしくは制限なし。
- 試験期間:2年間。
【試験結果】
- 2年時点でカロリー制限群は7.6kg、制限なし群は0.4kgの減量があった。
- 制限なし群と比較してカロリー制限群は…
- 2年時点での気分関連指標がより改善した(BDI-IIというテストでは0.76点、POMSというテストでは0.79点多く改善)
- 2年時点での全体的な健康面がより改善した(QoL関連指標のSF-36というテストの一部で6.45点の改善)
- 2年時点での性欲と性関係がより改善した(Derogatis Interview for Sexual Functionというテストで1.06点多く改善)
- 1年時点での睡眠時間に関する自己評価が高かった(PSQIというテストの一部で0.26点の改善)
【論文リンク】
Pediatrics、2016年5月号より。
両親に過体重/肥満と思われている子供は、体重増加リスクが高い!という報告です。
子供の健康管理は親の責任…ではありますが、あまりストイックになるのも良くないのかもしれません。
今回の研究では、両親に肥満だと思われている子供は成長過程でより体重が増加したという報告がされました。アメリカなどでは近年小児肥満が増加しており、親が早めに気づき予防・対処するのが重要だといわれています。しかし一方で、親からのネガティブなイメージは子供に悪影響を及ぼすのかもしれません。
実際には標準体重だった子供も、両親に肥満だと思われている場合体重増加が多かったので、「病は気から」ではないですが、「肥満は気から」も一理あるのかもしれません。
【試験概要】
- 研究デザイン:縦断研究
- 対象:オーストラリア在住の子供3,557名とその両親
- 試験期間:4歳から13歳までの追跡
【試験結果】
両親が子供のことを過体重/肥満だと認識している場合、その子供は試験期間中に体重が増えるリスクが高かった。
この相関は、子供が実際標準体重であった場合も肥満であった場合も同様であった。
Heart、2016年4月18日オンライン号より。
社会的孤立・孤独感があると心臓病や脳卒中を起こすリスクが30%高い!という報告です。
食事・運動・睡眠など健康に重要な要素は色々とありますが、メンタル面のケアも非常に重要です。社会との関わりを持ち、孤独を感じない生活ができれば、毎日を楽しく暮らせるだけではなく病気のリスクが減りより長生きできるようになるかもしれません♪
【試験概要】
- 研究デザイン:システマティックレビュー/メタ解析
- 対象:2015年5月までに発表された16件(23文献)のコホート研究で、4,628例の冠動脈疾患と3,002例の脳卒中を含む。うちメタ解析に使用されたのは冠動脈疾患に関する11件と脳卒中に関する8件。
- 試験期間:3-21年間
【試験結果】
- 社会的孤立・孤独感では冠動脈疾患の発症リスクが29%高かった(RR 1.29)
- 社会的孤立・孤独感では脳卒中の発症リスクが32%高かった(RR 1.32)