2016年6月30日木曜日

「脂質 = 不健康」 ではない!魚などの油で心臓病予防❔

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JAMA Internal Medicine誌、2016年6月27日オンライン号より。

「脂質 = 不健康」 というイメージがあるかもしれませんが、実は脂質にも様々な種類があります。
魚に含まれるDHAやEPA、亜麻仁油やエゴマ油に含まれるα-リノレン酸などは「オメガ3多価不飽和脂肪酸」と呼ばれる種類で、コレステロール低下・心臓病予防など、様々な健康効果があると言われています。

これまでの研究では、アンケートを元にオメガ3多価不飽和脂肪酸の摂取量を推測したものが多かったのですが、今回は体内にどの位オメガ3多価不飽和脂肪酸があるかが計測されています。
つまり今回の研究では、よりオメガ3多価不飽和脂肪酸の効果が適切に評価されているのです。
その結果、体内のオメガ3多価不飽和脂肪酸濃度が高いと心臓病の発症リスクが低かったと報告されました。

ダイエット中などは脂質を敬遠しがちですが、量だけでなく質も重要です。
旬の魚を楽しみ、健康に良いオメガ3多価不飽和脂肪酸をしっかり摂りましょう♪


【試験概要】
  • 研究デザイン:前向き・後ろ向き研究19件の統合解析
  • 対象者:16ヵ国より45,637名。ベースライン時の年齢は中央値で59歳。
【試験結果】
オメガ-3多価不飽和脂肪酸は血液・リン脂質・コレステロールエステル・脂肪組織などにおける濃度で評価された。
  • DHA:DHAが高いと致死性冠動脈疾患の発症リスクが10%低かった(RR 0.90)
  • α-リノレン酸:α-リノレン酸が高いと致死性冠動脈疾患の発症リスクが9%低かった(RR 0.91)
  • DPA:
    • DPAが高いと致死性冠動脈疾患の発症リスクが10%低かった(RR 0.90)
    • DPAが高いと冠動脈疾患の発症リスクが6%低かった(RR 0.94)

【論文リンク】
ω-3 Polyunsaturated Fatty Acid Biomarkers and Coronary Heart Disease: Pooling Project of 19 Cohort Studies

2016年6月29日水曜日

食生活で健康寿命が変わる❔身体機能障害を起こすリスクが13%低下

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Journal of Nutrition誌、2016年7月号より。
日本は長寿国として知られていますが、最近では平均寿命だけでなく「健康寿命」というコンセプトが注目されています。


「健康寿命」というのは日常生活に制限なく過ごせる期間のことで、平均寿命との差は寝たきり・要介護の期間を意味します。
現状では男女とも平均寿命と健康寿命の間に10歳程度の差がありますが、これを短縮することは大きな課題です。

今回の研究では、そんな健康寿命が食生活で変わる❔という報告がされました。
食生活スコアと身体機能障害の関係を評価したところ、スコアの高いヒトでは身体機能障害を起こすリスクが13%低かったのです。

健康的な食生活で身体機能障害を予防し、元気に長生きを目指しましょう♪


【試験概要】
  • 研究デザイン:コホート研究
  • 対象者:Nurses’ Health Studyより54,762名の女性。
  • 研究期間:1992年から2008年
【試験結果】

  • 食生活の質(Alternative Healthy Eating Index-2010:AHEI-2010というスコアで評価)の総スコアが最も高いグループは、最も低いグループと比較して身体機能障害をおこすリスクが13%低かった(HR 0.87)。
  • 食品群ごとに評価すると、下記項目は身体機能障害のリスク低下と有意に相関していた。
    • 野菜・果物の高摂取
    • 砂糖入り飲料・トランス脂肪酸・塩分の低摂取
    • 適度な飲酒
  • 食品ごとに評価すると、オレンジ・オレンジジュース・リンゴ・梨・レタス・ロメインレタス・クルミの摂取が最も身体機能障害のリスク低下と相関していた。
  • 食品群、食品ごとの相関は、総スコアと比較して概ね小さく、各項目よりも全体の食事パターンが重要だと考えられる。
【論文リンク】
Greater Adherence to the Alternative Healthy Eating Index Is Associated with Lower Incidence of Physical Function Impairment in the Nurses’ Health Study

2016年6月28日火曜日

健康的な食生活 + 運動 = がん発症リスクが10~61%低下❔

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Cancer Epidemiol Biomarkers Prev誌、 2016年6月23日オンライン号より。


日本人の死因第1位のがん
大切なヒトを亡くした経験のあるヒトや、遺伝子的に自分もリスクが高いと不安に思っているヒトが多いのではないでしょうか。
がんの発症にはもちろん遺伝子も関係しますが、生活習慣の影響も大きいと言われています。

今回の研究はシステマティックレビューというエビデンスレベルの高い研究で、既存研究12件のデータが合わせて解析されました。
その結果、がん予防ガイドラインで推奨されているような食生活・身体活動を行っていたヒトではがんの発症リスクが10~61%も低かったのです。

うちはがん家系だから…と悲観的になるのではなく、遺伝子的にリスクが高いのであれば尚更健康的な生活習慣を心掛け、がん予防に役立てましょう♪


【研究概要】
  • 研究デザイン:システマティックレビュー
  • 対象:がん予防ガイドライン(食/身体活動)の遵守と、がん発症率/死亡率の相関を評価した研究12件
【研究結果】
がん予防ガイドラインを遵守しているヒトではがん発症/死亡リスクが10~61%低かった。
部位別にみると、…
  • 乳がん:がん予防ガイドライン遵守で、発症リスクが19~60%低かった
  • 子宮体がん:がん予防ガイドライン遵守で、発症リスクが23~60%低かった
  • 大腸がん:がん予防ガイドライン遵守で、発症リスクが27~52%低かった
  • 肺がん:不明確な相関
  • 卵巣がん:相関なし
  • 前立腺がん:相関なし

2016年6月27日月曜日

食物繊維の効果は便秘改善だけじゃない!高摂取だと健康的に年を重ねられる❔

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J Gerontol A Biol Sci Med Sci誌、 2016年6月1日オンライン号より。


「食物繊維」と聞くと便秘に良い!というイメージを持っているヒトは多いと思いますが、実は食物繊維の効果はずっと広範囲にわたるかもしれません。

今回の研究では、食物繊維が「健康的に年を重ねる」ことに役立つかということが評価されました。
「健康的に年を重ねる」 ということの定義は様々あると思いますが、この研究では「 障害、うつ、認知能低下、呼吸器症状、がんや冠動脈疾患などの慢性疾患を有さない加齢」として定義されています。

そして10年間の研究の結果・・・
食物繊維摂取量が最も多いグループでは健康的に年を重ねた割合が79%高かったと報告されたのです。

野菜や果物、全粒穀物など食物繊維を多く含む食品を積極的に摂り、健康長寿を目指しましょう♪

【研究概要】
  • 研究デザイン:コホート研究。
  • 対象者:49歳以上でがん・冠動脈疾患・脳卒中の既往のない者1,609名。
  • 研究期間:10年間の追跡。
【研究結果】
  • 食物繊維の摂取量が多いヒトでは、健康的に年を重ねるヒトが多かった。
    • 食物繊維の総摂取量が最も多いグループは、最も少ないグループと比較して健康的に年を重ねた割合が79%高かった(OR 1.79)。
    • パンなど穀類からの食物繊維摂取量が常に中央値未満だったヒトでは、その他のヒトと比較して健康的に年を重ねた割合が半分程度だった(OR 0.53)。
    • 果物からの食物繊維摂取量が常に中央値未満だったヒトでは、その他のヒトと比較して健康的に年を重ねた割合が1/3程少なかった(OR 0.64)。 

  • 炭水化物摂取量、GI値(※1)、GL値(※2)などは健康的に年を重ねることと有意な相関を示さなかった。
(※1) GI値:Glycemic Indexの略でグリセミック指数などとも呼ばれる。一定量の炭水化物を含む食品を摂取させた際、それが体内に吸収され血糖値を上昇させる度合いを相対的に表したもの。

(※2) GL値:Glycemic Loadの略でグリセミック負荷などとも呼ばれる。各食品の通常1回に食べる量に含まれる炭水化物量とGI値とを合わせて考慮した指数。
 GL = 各食品1食分に含有する炭水化物の量(g) × GI ÷ 100
で算出される。

2016年6月24日金曜日

規則的な食事パターンでメタボの予防・改善❔

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Proceedings of the Nutrition Society誌、2016年6月22日オンライン号より

健康的な食生活を送るためには、何をどの位食べるかだけでなく、どのタイミングで何回食べるかといった食事パターンも重要だと言われています。

食事パターンが実際どの程度健康に影響するかについては、まだ小規模な研究が数件発表されているだけですが、既存のデータでは規則的な食事パターンがメタボリックシンドロームの予防/改善に役立つかも❔と報告されています。

忙しい1週間を終えると、週末はついお昼過ぎまで寝ていたくなりますが、頑張って早起きして毎日同じ位の時間に、規則正しく食事をするようにしましょう♪

【研究概要】
  • 研究デザイン:食事パターンと心血管・代謝能の関係を評価した研究のレビュー
【研究結果】
  • 数件の断面研究とコホート研究:不規則な食事時間がメタボリックシンドロームや心血管障害のリスク(BMI(※1)や血圧など)上昇と相関すると多くの試験が示した
  • 2件の無作為化試験:規則的 vs. 不規則な食事時間のグループに分けて2週間介入したところ、規則的な食事時間のグループでインスリン値・LDL-コレステロール値・総コレステロール値などの改善がみられた。
(※1)
BMI: Body Mass Index(ボディーマスインデックス)の略。身長と体重をもとに算出した指数で体格をあらわす。体重[kg]を身長[m]の二乗で割って算出する。

【論文リンク】

2016年6月23日木曜日

地中海食で心血管障害のリスク低減❔

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European Heart Journal誌、2016年4月24日オンライン号より。

病気の予防や管理のための食生活というと、あれを食べてはいけない、これもダメ…と制限が多いようなイメージがあります。
確かに不健康な成分を含む食品はなるべく控えたいところですが、それよりも重要なのは健康に良い成分を含む食品を積極的に食べることかもしれません。
今回の研究では、健康的な食生活(地中海食)のスコアが高いと心血管障害の発症リスクが低く、不健康な食生活(西洋食)のスコアは特にリスクと関係なしと報告されました。

全粒穀物・果物・野菜・豆類・魚などを積極的に摂り、ポジティブな気持ちで健康的な食生活を目指しましょう♪

【試験概要】
  •  研究デザイン:コホート研究
  • 対象者:STABILITY研究より、安定した冠動脈疾患の男女15,482名。平均年齢67歳。
  • 期間:中央値で3.7年の追跡
食事に関するアンケートを元に下記2つの指標が算出された
  1. 地中海食スコア:
    • 全粒穀物・果物・野菜・豆類・魚・アルコールの高摂取
    • 肉類の低摂取
  2. 西洋食スコア:
    • 精製された穀類・嗜好品・清涼飲料水・揚げ物の高摂取

【試験結果】
主要な心血管障害を心血管死亡・非致死性心筋梗塞・非致死性脳卒中のいずれかとして定義し、各スコアとその発症リスクの相関を評価したところ・・・
  • 地中海食スコアが高いと主要な心血管障害の発症リスクが低かった。
    • 15点以上:対象者の7.3%で発症
    • 13-14点:対象者の10.5%で発症
    • 12点以下:対象者の10.8%で発症
  • 西洋食スコアは主要な心血管障害発症リスクと有意な相関なし。
【論文リンク】
Dietary patterns and the risk of major adverse cardiovascular events in a global study of high-risk patients with stable coronary heart disease

2016年6月22日水曜日

62件の研究を纏めて解析!大豆などのフィトエストロゲンで更年期障害改善❔

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JAMA誌、2016年6月21日号より。
更年期障害にはホットフラッシュ、ほてり、多汗、だるさなど様々な症状があり、欧米では40-50%のヒトが症状改善のために代替療法を使用していると言われます。

そんな代替療法の一つとして、日本でも人気があるのが大豆イソフラボンなどエストロゲン様活性をもった植物(フィトエストロゲン)です。
今回の研究では、フィトエストロゲンを使った研究62件のデータより、その有効性が改めて評価されました。
その結果、フィトエストロゲンはホットフラッシュ・膣の乾燥軽減には有意な効果を示し、寝汗には特に効果なしと報告されたのです。

解析に使用された研究の多くは方法論などに問題があり、あまり質の高くないものでしたが、大豆製品は低脂質高タンパクでダイエットにも良いので、積極的に食べてみましょう♪


【試験概要】
  • 研究デザイン:メタ解析。2016年3月27日までに発表されており、植物製品によるホットフラッシュ・寝汗・膣の乾燥などへの有効性を評価した無作為化比較試験62件が対象。
  • 対象者:6,653名の女性。

【試験結果】
フィトエストロゲンにより・・・
  • ホットフラッシュの頻度:有意に低減した(pooled mean difference of change: -1.31)
  • 膣の乾燥スコア:有意に改善した(pooled mean difference of change: -0.31)
  • 寝汗の頻度:有意な効果なし
個々のフィトエストロゲンを分けて解析すると、例えば食事/サプリメントからの大豆イソフラボンでは・・・
  • ホットフラッシュの頻度:有意に低減した(pooled mean difference of change: -0.79)
  • 膣の乾燥スコア:有意に改善した(pooled mean difference of change: -0.26)
  • 寝汗の頻度:有意な効果なし
メタ解析の対象となった試験は質にばらつきがあり、その74%は3項目以上でバイアスリスクが高いと評価された。


【論文リンク】
Use of Plant-Based Therapies and Menopausal Symptoms: A Systematic Review and Meta-analysis