がんを始めとする様々な病気は中高年期になってから発症することが多いです。
しかし「予防」という観点で考えると、中高年になってから…ではなく、もっと若いうちから注意が必要かもしれません。
今回の研究では思春期の脂肪摂取量が乳がんリスクに関与❓と報告されました。
ある研究で思春期の食生活が評価されている女性について、約15年後の乳腺密度が調べられました。
この「乳腺密度」とはMRIを使って評価する指標で、乳腺密度が高いと乳がんリスクが高いことを意味します。
その結果、思春期の脂肪摂取量は乳腺密度、つまり乳がんリスクと相関すると報告されました。
予防的な影響がみられたのは多価不飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸で、魚やナッツ類、オリーブオイルなどに含まれます。
リスク上昇と相関したのは飽和脂肪酸で、バターや肉類の脂身に多く含まれます。
これらは乳がん以外にも心臓病や脳卒中などにも関与するので、飽和脂肪酸を控え、多価不飽和脂肪酸・一価不飽和脂肪酸を多く含む食生活を心掛けましょう♪
お子様のいらっしゃる方は、小さいころから健康的な食習慣を身につけさせることで未来の病気予防に繋がるかもしれません♪
【試験概要】
- 研究デザイン:無作為化比較試験(Dietary Intervention Study in Children)の追跡
- 対象者:上記無作為化比較試験の対象者より177名の女性
- 研究期間:10-18歳で食事評価、25-29歳で乳がんリスク評価
【試験結果】
※乳がんリスクは乳腺密度(%DBV)にて評価。乳腺密度が高いと乳がんリスクが高いとされている。- 思春期に飽和脂肪酸を多く摂取していると、乳がんリスクが高かった。
- 高摂取グループ:%DBV 21.5%
- 低摂取グループ:%DBV 16.4%
- 思春期に一価不飽和脂肪酸を多く摂取していると、乳がんリスクが低かった。
- 高摂取グループ:%DBV 15.8%
- 低摂取グループ:%DBV 25.0%
- 思春期に多価不飽和脂肪酸/飽和脂肪酸の比率が高い食生活をしていると、乳がんリスクが低かった。
- 高比率グループ:%DBV 14.3%
- 低比率グループ:%DBV 19.1%
- 発育段階で分けて解析すると、下記項目について初潮前は乳がんリスクと相関したが、初潮後の習慣は乳がんリスクと相関がなかった。
- 多価不飽和脂肪酸
- オメガ-3多価不飽和脂肪酸
- 多価不飽和脂肪酸/飽和脂肪酸の比率
Dietary Fat Intake During Adolescence and Breast Density Among Young Women
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