JAMA Oncology、2016年5月26日号より。
「がん家系」という言葉があるように、遺伝的にがんになりやすいヒトがいるのは事実です。
ただし遺伝的にリスクが高いからといって、諦める必要はありません!
今回の研究では、例え遺伝的にリスクの高いヒトであっても修正可能なリスク因子に気を付けることで、そのリスクが一般のヒトとほぼ同程度まで下がると報告されました。
その修正可能なリスク因子とは下記の4つ・・・
- BMI:体形を表す指標(※1)
- 更年期ホルモン療法
- 飲酒
- 喫煙
がんだけでなく多くの疾患で遺伝子と生活習慣の両方が関与します。
「遺伝だから仕方ない」ではなく、「遺伝だからこそ頑張ろう!」と生活習慣向上のモチベーションにしましょう♪
【試験概要】
- 研究デザイン:観察研究
- 対象者:Breast and Prostate Cancer Cohort Consortium (BPC3)よりがん患者17,171名と対照19,862名、および 米国国民健康調査2010年より5,879名。
- 30歳の白人女性が80歳までに浸潤性乳がんを発症するリスクは平均11.3%(リスク因子の有無により4.4~23.5%)
- 遺伝的なリスク、修正可能なリスクのいずれも浸潤性乳がんの発症に影響した。例えば遺伝的に最も高リスクのグループのうち、低BMI・禁酒・禁煙・更年期ホルモン療法なしのヒトでは、一般集団における平均的女性とほぼ同程度までリスクが低下していた。
BMI: Body Mass Index(ボディーマスインデックス)の略。身長と体重をもとに算出した指数で体格をあらわす。体重[kg]を身長[m]の二乗で割って算出する。
Breast Cancer Risk From Modifiable and Nonmodifiable Risk Factors Among White Women in the United States
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