2016年6月3日金曜日

塩分摂りすぎだけでなく控えすぎも要注意!死亡率や心血管イベントのリスク上昇❓

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Lancet、 2016年5月20日オンライン号より。

塩分の摂りすぎは高血圧を招き、脳卒中などの病気に繋がると言われています。
日本人の食生活ではお味噌汁やお漬物など塩分の多い食品が多く、減塩醤油を使うなど注意しているヒトも多いのではないでしょうか。
塩分の摂りすぎが良くないのはその通りなのですが、今回の研究では逆に塩分の控えすぎでも死亡率や心血管イベントが上昇❓と報告されました。

高血圧の患者では、平均的な摂取量(塩分10-13g/日程度)と比較して、多くても少なくても死亡や心血管イベント発症リスクが20~30%上昇しました。
高血圧でないヒトでは、塩分摂取量が多くてもリスク上昇は特になく、少ない場合はリスクが26%上昇しました。

高血圧で塩分摂りすぎのヒトは是非今後も減塩を心掛けてほしいですが、高血圧でないヒトは
これからの季節、汗と共に塩分排泄量が増える時期なので控えすぎにも注意しましょう♪

【試験概要】
  • 研究デザイン:前向き研究4件の統合解析
  • 対象者:49ヵ国から集められた133,118名。年齢は中央値で55歳。
  • 研究期間:中央値で4.2年間 
【試験結果】
※塩分摂取量は24時間蓄尿検査をもとに推算。エンドポイントは死亡もしくは主要心血管イベントの発症。
  • 塩分摂取量と血圧の相関は、高血圧患者においてより大きかった
    • 高血圧患者:ナトリウム摂取量が1g(塩分換算2.54g)増えるごとに収縮期血圧が2.08mg上昇
    • 高血圧でない者:同上、収縮期血圧が1.22mg上昇
  • 塩分摂取量が多いと、高血圧患者では死亡・心血管イベントのリスクが上昇したが、高血圧でない者では有意な影響はなかった。ナトリウム摂取量が4~5g/日(塩分換算10.2~12.7g程度)のグループと7g/日(塩分換算17.8g程度)以上のグループを比較すると…
    • 高血圧患者:死亡・心血管イベントのリスクが23%高かった(HR 1.23)
    • 高血圧でない者:有意差なし
  • 塩分摂取量が少ないと、高血圧患者・そうでない者のいずれにおいても死亡・心血管イベントのリスクが上昇した。ナトリウム摂取量が4~5g/日のグループと3g/日(塩分換算7.6g程度)未満のグループを比較すると…
    • 高血圧患者:死亡・心血管イベントのリスクが34%高かった(HR 1.34)
    • 高血圧でない者:同リスクが26%高かった(HR 1.26)
【論文リンク】
Associations of urinary sodium excretion with cardiovascular events in individuals with and without hypertension: a pooled analysis of data from four studies

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