J Gerontol A Biol Sci Med Sci誌、 2016年6月1日オンライン号より。
「食物繊維」と聞くと便秘に良い!というイメージを持っているヒトは多いと思いますが、実は食物繊維の効果はずっと広範囲にわたるかもしれません。
今回の研究では、食物繊維が「健康的に年を重ねる」ことに役立つかということが評価されました。
「健康的に年を重ねる」 ということの定義は様々あると思いますが、この研究では「 障害、うつ、認知能低下、呼吸器症状、がんや冠動脈疾患などの慢性疾患を有さない加齢」として定義されています。
そして10年間の研究の結果・・・
食物繊維摂取量が最も多いグループでは健康的に年を重ねた割合が79%高かったと報告されたのです。
野菜や果物、全粒穀物など食物繊維を多く含む食品を積極的に摂り、健康長寿を目指しましょう♪
【研究概要】
- 研究デザイン:コホート研究。
- 対象者:49歳以上でがん・冠動脈疾患・脳卒中の既往のない者1,609名。
- 研究期間:10年間の追跡。
【研究結果】
- 食物繊維の摂取量が多いヒトでは、健康的に年を重ねるヒトが多かった。
- 食物繊維の総摂取量が最も多いグループは、最も少ないグループと比較して健康的に年を重ねた割合が79%高かった(OR 1.79)。
- パンなど穀類からの食物繊維摂取量が常に中央値未満だったヒトでは、その他のヒトと比較して健康的に年を重ねた割合が半分程度だった(OR 0.53)。
- 果物からの食物繊維摂取量が常に中央値未満だったヒトでは、その他のヒトと比較して健康的に年を重ねた割合が1/3程少なかった(OR 0.64)。
- 炭水化物摂取量、GI値(※1)、GL値(※2)などは健康的に年を重ねることと有意な相関を示さなかった。
(※2) GL値:Glycemic Loadの略でグリセミック負荷などとも呼ばれる。各食品の通常1回に食べる量に含まれる炭水化物量とGI値とを合わせて考慮した指数。
GL = 各食品1食分に含有する炭水化物の量(g) × GI ÷ 100
で算出される。
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