2016年9月9日金曜日

肥満だと脳梗塞リスクが上昇、でも脳出血リスクは低下❔

このエントリーをはてなブックマークに追加

Neurology誌、2016年9月7日オンライン号より


脳血管疾患(脳卒中)は日本人の死因第3位で、総患者数(継続的な治療を受けていると推測される患者数)が117万9,000人と言われています。


肥満と脳卒中リスクの相関については様々な研究が報告されていますが、今回の研究では脳卒中の種類によって相関が異なるという結果が示されました。
脳梗塞(血管が詰まる)は肥満と共にリスクが上昇し、脳出血(血管が破れる)はリスクが減少したのです。

だからと言って「脳出血の予防のために肥満になりましょう」というわけでは勿論ありません。
今回の研究者たちも述べている通り、脳梗塞の方が一般的な疾患であり、肥満を予防することが脳卒中の予防に繋がるということは変わりません。

だんだん涼しくなり夏バテしていたヒトも過ごしやすい季節になってきました。
「食欲の秋」で食べる量がついつい増えてしまいがちな時期ですが、食べ過ぎに気を付け適正体重の維持を心掛けましょう♪

【試験概要】
  • 研究デザイン:前向き研究
  • 対象者:平均年齢57歳で脳卒中の既往のない女性130万名。
  • 研究期間:平均11.7年間の追跡。
【試験結果】
BMI(※1)が5kg/m2上昇するごとに…
  • 脳梗塞のリスクは21%高くなった(RR 1.21)。
  • 脳出血のリスクは11%低くなった(RR 0.89)。

(※1)
BMI: Body Mass Index(ボディーマスインデックス)の略。身長と体重をもとに算出した指数で体格をあらわす。体重[kg]を身長[m]の二乗で割って算出する。

【論文リンク】

0 件のコメント:

コメントを投稿