The Lancet誌、2016年7月15日オンライン号より。
近年、身体活動量を増やす重要性と共に、座位時間を減らす重要性が注目されています。
テレビを見ている時間などの座っている時間が長ければ長い程、慢性疾患のリスクや死亡率が上昇すると様々な研究で報告されているのです。
では、座位時間が多いけれども身体活動量も多いという場合はどうなるのでしょうか。
今回は16件の研究を合わせて解析し、座位時間と身体活動量の両方と死亡率の関係が評価されました。
その結果、身体活動量が最も高いグループでは座位時間が多くても死亡率が上昇しないことが分かりました。
ただしテレビをみる時間が多いヒトは、身体活動量が最多でも死亡率が高まりました。
運動をするのが苦手なヒトは、テレビの時間を減らすだけでも健康効果があるかもしれません。
テレビをみる代わりに、料理や買い物など何か楽しめることに時間を使ってみましょう♪
【試験概要】
- 研究デザイン:システマティックレビュー / メタ解析
- 対象: 1日の座位時間もしくはテレビ視聴時間と身体活動量の両方を測定しているコホート研究16件(うち2件は非公開)。この16件のうち座位時間に関する研究は13件で1,005,791名対象。テレビ視聴時間については6件で465,450名対象。
- 追跡期間:座位時間の研究は2~18.1年
【試験結果】
座位時間が最少(<4時間/日)・身体活動量が最多(>35.5MET-h/週)グループと比較して…
- 身体活動量が最も低い2グループでは死亡率が12~59%高かった。
- 座位時間が最少(<4時間/日)・身体活動量が2番目に低い(<16MET-h/週)グループでは死亡率が12%高かった(HR 1.12)
- 座位時間が>8時間/日・身体活動量が最低(<2.5MET-h/週)グループでは死亡率が59%高かった(HR 1.59)
- 身体活動量は最多のままで、座位時間が増えて(>8時間/日)も死亡率は有意な上昇を示さなかった。
- 座位時間が最少(<4時間/日)のままで、身体活動量が最低(<2.5MET-h/週)グループは死亡率が27%高かった(HR 1.27)。
ただし、身体活動量が最多のグループではテレビを5時間/日以上見るヒトのみで死亡率上昇(HR 1.16)が見られた。
【論文リンク】
Does physical activity attenuate, or even eliminate, the detrimental association of sitting time with mortality? A harmonised meta-analysis of data from more than 1 million men and women
【論文リンク】
Does physical activity attenuate, or even eliminate, the detrimental association of sitting time with mortality? A harmonised meta-analysis of data from more than 1 million men and women
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