2016年10月21日金曜日

カルシウムサプリメントで動脈硬化のリスク上昇❔

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Journal of the American Heart Association誌、2016年10月11日号より。

骨の健康のためなどカルシウムは人気の高いサプリメントですが、近年カルシウムサプリメントが心血管障害のリスク上昇と関係するという報告もあり、とるべきかとらないべきか…と迷うところです。

今回の研究ではカルシウムの総摂取量が高いと動脈硬化のリスクが低いと報告された一方、カルシウムサプリメントの使用がリスクを高める可能性も示唆されました。

カルシウムに関する研究結果は一貫していないですが、病気のリスク上昇と関係するといわれているのはカルシウムサプリメントで、食品からのカルシウムは問題ありません。
乳製品、小魚、大豆製品、小松菜などの野菜…カルシウムを含む食品は多くあります。様々な食品を摂り、食事から十分なカルシウムを摂れるようになるのが理想的です♪

【試験概要】

  • 研究デザイン:コホート研究(Multi‐Ethnic Study of Atherosclerosis)
  • 対象:45-84歳で心血管障害の診断を受けていない男女5,448名。
  • 研究期間:約10年間の追跡。
【試験結果】
  • ベースライン時のカルシウム摂取量で5グループに分けると、それぞれのグループの平均値は313.3、540.3、783.0、1168.9、2157.4 mg/日。女性の方が男性より摂取量が高かった。
  • ベースライン時に冠動脈石灰化のなかった1,567名のうち、カルシウム摂取量が最多のグループは最少のグループと比較して、10年間の冠動脈石灰化発症リスクが27%低かった(RR 0.73)。
  • カルシウムの総摂取量で調整を行った解析では、カルシウムサプリメントの使用が冠動脈石灰化の発症リスク上昇と相関した(RR 1.22)。
【論文リンク】

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